2009年5月6日水曜日

A-803467, a potent and selective Nav1.8 sodium channel blocker, attenuates neuropathic and inflammatory pain in the rat

PNAS 2007 May 15;104(20):8520-5
Nav1.8はナトリウムチャンネルαサブユニットの一つで知覚神経に選択的に発現しているとされる。ノックアウトマウスの解析により、Nav1.8が痛覚過敏に貢献していることが明らかにされ、Nav1.8の阻害剤を新規鎮痛薬として開発しようという動きがあるわけです。
すでに幾つかの製薬会社が開発に成功しているのですが、その中で論文発表にいたったものを今回は紹介します。
合成された試薬A-803467はNav1.8に対する親和性が他のサブユニットに対して約1000倍高いため、Nav1.8の働きを止めるような量のA-803467を全身投与しても、その他のナトリウムチャンネルには影響を与えることがないようです。
行動解析の結果から、A-803467の全身投与には急性痛(機械刺激)だけでなく炎症性疼痛、神経因性疼痛などのモデルによる疼痛の緩和に効果があるようです。
Nav1.8の機能解析については、まずノックアウトマウスのデーターが公開されて、そのあとオリゴDNAによるノックダウンの論文が続く格好になったのですが、一部慢性痛モデル(神経因性疼痛モデルですけど)に関して、「ノックアウトでは痛覚過敏を抑制しないのにノックダウンでは抑制される」という異なった結果が得られています。
一説にはNav1.8ノックアウトマウスではNav1.7が補完的に増加していて、そのせいで本来のNav1.8の機能が欠損しなかったのではないか、などとと言われているようです。それ以前の問題として、ラット(ノックダウン)とマウス(ノックアウト)で痛覚のプロセシングがずいぶん違う可能性もあるのですが・・・。いずれにしても、この阻害剤の行動解析の結果はノックダウンのデーターに近いと言って差し支えないのでしょう。

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