2011年11月20日日曜日

SNLモデルにおけるL4 nerve injury

Painより
Re-evaluation of the phenotypic changes in L4 dorsal root ganglion neurons after L5 spinal nerve ligation
published online 04 November 2011
ATF3をdamaged neuronの指標としてSNLモデルにおけるL4DRGの疼痛関連遺伝子の発現変化を検討した論文。
5%程度のL4DRGニューロンがATF3陽性となる。この反応は皮膚切開の場所などに依存するようだ。ATF3陽性なニューロンは従来考えられていたL4ニューロンと同様ではなく、injured L5ニューロンと類似する挙動を示す。神経障害性疼痛の時にinjured neuronとuninjured neighboring neuronの機能変化を分子レベルで評価しようとする場合、SNLラットのL4/L5 DRGを採取しRT-PCRかウェスタンするのが手っ取り早い。L4DRGのATF3+ニューロンの割合はこのようなアッセイの信頼性を損ねるほど高くはないように思うが、injuredとuninjuredで反対方向にregulationのかかる分子の場合、両者の動きが相殺されて変化なしと検出される危険性があることは間違いない。
そんなわけで福岡先生、ナイスなお仕事と思います。形態学の重要性を再認識しました。

2011年11月18日金曜日

TLR4と遷延性疼痛

Painより
Spinal TLR4 mediates the transition to a persistent mechanical hypersensitivity after the resolution of inflammation in serum-transferred arthritis Pain 152 2881–2891, 2011
Toll like receptor4は慢性疼痛の際に脊髄に誘導されることが知られている。そのTLR4が疼痛の遷延におよぼす影響を調べた論文。 遷延性炎症性疼痛を誘発させるものとしてK/BxN関節炎モデルが使われている。TLR4KOマウスでは慢性期のmechanical allodyniaが抑制され 脊髄アストロサイトの増生も少ない。TLR4のアゴニストであるLPSを投与するとアストロサイトとマイクログリアの両者が活性化する。LPSではない、内因性のTLR4アゴニストはいくつかその存在が知られており、脊髄においてHSP90などは炎症刺激で増加し、TLRアンタゴニストは炎症性疼痛を減弱させる。TLR KOマウスではPPARアゴニストのPGJ2が関節炎ラットで減少し、この作用をTLR4アンタゴニストで抑えている。 炎症刺激と神経伝達は類似した複雑な情報伝達システムを持っている。両者のクロストークはこの領域の定番だが、TLR4の内因性アゴニストの検索やその下流の解明など、まだ明らかにされていないことはたくさんあるらしい。